Migration
バーミンガムのクイーンエリザベス病院の血液学センターの意図に従い、私 は作品「 MIGRATION 」を完成した。その意図とは、新しい病棟の待合室に、 気持と考えを明るくさせる目的として、注目を引く目立つ作品を創るという ことであった。待合室で患者は重い気持を抱き診察結果を待っているだろう。 この作品は、そういった雰囲気に快適な気晴らしを提供してくれる。
私のアイデアは、鳥の群れや船の船団が現在の場所を離れ、どこかより温和 な所に移動する際のエネルギを表現し、見る側に気軽く快調的な気持ちを齎 せることであった。
35枚の三角形コーティングガラスを幅80cm、長さ3メートルのステンレスフレ ームセットに吊り下げたもの。各ガラスの大きさは、30cm x 70cm x 4mm。
引込み作業の工程で発生したメタルコーティングの反射から、ガラス表面に は素晴らしい虹色が生まれた。この虹色は、上から照らされる明りによって 変わりつつ、日中の日差しや天候の変化、夕方には部屋中の様々な照明から の明りに照らされ、更に異なった雰囲気を表現する。 その近くにはエアコンを設置し、エアコンの風により自然にガラスが揺れ動 くことを試みた。ガラスが互いに軽く触れ合う際には、軽快な鈴の音を鳴ら す。
更に、これらのカラスは従来のシャンデリアとは違って、天井で見妙な揺れ を見せる。こうして、患者の考えを病気から離し、ガラス作品の世界に導く 効果を試みるのである。
ライトの設計図も契約書と共に、慎重に描けなければならなかった。ガラス の設置者でもあった契約者の彼により、ガラスの吊られる重いステンレスフ レームを固定する際の安全性が確立できた。